優秀賞をめっちゃ狙ってた話
こんにちは。ゆーたろうです。久しぶりにブログ書きます笑
この前、学科の卒論発表会で優秀賞を取りました。知ってる人だったら「え、全然勉強サボってるお前が...?」って感じだと思うのですが、実は"めちゃめちゃ優秀賞狙ってました"笑
プレゼンテーションには比較的自身があったし、僕は今年で大学を卒業して学生を終えるから、「最後に何か頑張りたいな~」って思って...って感じです。
いくら自信があると言っても、"64人中の6人に選ばれるには色々考えなきゃいけない"と思って本当に色々なことを考えながら発表の準備をしたんですよ笑
せっかくなので自らの備忘録として、また、これから発表を抱える方に向けて今回のプレゼンテーションのために考えたことと後から考えたことをブログに書き残しておこうと思います。
自分の経験に基づいたプレゼンテーションに対する考えなので、参考文献とかないです。間違いあったらごめんなさい。
何様だ!って感じですが、少しでも参考になったら幸いです。
まず、誰に何を聴かせるか?
これが一番大事ですよ。マジで。対象と内容がハッキリしない発表は誰にも届かないって思います。
ここで卒論発表会の発表対象を挙げてみましょう。
・学科の同期
・大学の先生方
・研究室の先輩・後輩
・これから研究室を決める大学2年生
が主な対象でしょうか?じゃあ、対象は上で決まり!......とはしませんでした。
学科の同期や研究室の先輩・後輩は”知り合いの発表”というフィルターがかかってるし、大学の先生は”先生という立場”で発表を聴きます。
つまり、聴くスタンスが優しいんですよ。
逆に、一番厳しく発表を聴くのは大学2年生です。
知らない先輩の発表を、授業だからと無理やり聴かされる人もいるわけです。そんな状況でつまらない発表されたらムカつきますよね。少なくとも僕は寝ます。
僕は発表する上で「これから研究室を決める大学2年生」に完全に対象を絞りました。大学2年生と言っても僕みたいにGPA1点台の頭悪いやつです。
僕みたいなやつが発表内容を理解できれば、会場の全員が理解できるわけですね。最高のプレゼンじゃないですか。
じゃあ、何を聴かせるか?という部分。これは「研究の流れ」としました。
発表を1つの作品として捉えた時に、人は何に楽しさを見出すか考えてみてください。研究背景?実験方法?研究結果?考察?……色々ありますが、正解は「研究の流れ」一択です。
映画に置き換えて考えてみましょう。人は映画の何に熱狂するでしょう?
映画の設定?撮影技術?映画の結末?映画に対する考察......?
いや、上の内容に熱狂する人はほんの一握りでしょう。誰しもが、圧倒的に、「ストーリー」に熱狂するはずです。
つまり、研究の発表も映画と同じく、「ストーリー」が伝わるものにするべきであり、「研究の流れ」が伝えたい本命ということになります。
「大学2年生」に「研究の流れ」を伝える。が今回の発表の目的でした。
スライドのデザイン
スライドのデザインは凄いこだわりました。
大学2年生が「理解したくなる」、「分かった気になる」、「なんか凄そう!ってなる」スライドが求められるわけです。
"伝えるためのスライド"が意識できていますか?
僕が今回のスライド作りで気を付けたことを箇条書きで解説していこうと思います。
①パッと見で感覚的に理解できるスライド
研究において、何を比較したのか?何を対象にしたのか?何を供試したのか?などの情報がパッと見で捉えられるスライドを大量に入れました。
よく広告とかでアイキャッチってあるじゃないですか?
上の1つ目のスライドなんかはまさにアイキャッチ的に作ったスライドで、とりあえず聴き手の視線をスライドに集めるためものだったりします。
「あ、文字多い...。読むのめんどい。」ってスライドばかり見せられてたら、まあしんどい。逆に「あ、何か読めそう。分かりそう。」ってスライドが出てくるとテンション上がりますよね。
簡単なことが簡単に理解できるスライドが正義だと思って作りました。
簡単なことを難しそうに書くな!ってことでもありますね。
②1つのスライドに載せる内容を考える
よくあるじゃないですか、実験の目的やら材料やら、別の概念を1枚にまとめたスライド。
あれ、見にくくないですか?
逆に、1つの概念に絞ってはいるけど内容を無理やり1枚に詰め込んだスライド。
あれも見にくくないですか??
聴き手が、「あ、今は○○について聴かされてるんだ!!」って瞬時に理解できるように1つのスライドに載せる内容は1つの概念に絞りつつ、1枚に載せる情報量はかなり少なくしました。
1枚に載ってる情報量が少ないとスライドを早送りしなくてはいけないというデメリットがある一方で、「スライドで書かれてる箇所と口頭で話している箇所が一致しやすい」という圧倒的なメリットがあります。
授業中によく起こる、「え、今どこの話してるの??」現象がなくなるわけです。
あと、アニメーションを駆使してスライドに情報を盛り込むのも避けたほうがいいです。見にくい。
アニメーションは前の情報をなるべく隠さないように、且つ、適度に使いましょう。
③可愛さから親近感を生む
ブサイクなスライドと可愛いスライドだったらどっちがいいですか...?僕は圧倒的に後者です。
デザインがスタイリッシュであればあるほど、「何か凄そう!」って思われるので、デザインは凝り得だと思います。
上の僕のスライドはイラストだけ見ておけば、概要が理解できるように作ったつもりです。
「イラストや図だけ見ておけば、何となく内容が把握できる」って文字読まなくていいから最高じゃないですか?
ただでさえ、可愛くない単語が並ぶ発表なので、デザインやイラストだけでも可愛くしましょう。
それと、写真はあまり使わないほうがいいですね。
背景などの雑多な情報量が多かったり、そもそも写真が下手くそだったりで、どこを見ていいのか全然分からないです。
写真を使うとしたら、
・聴き手に実験についての実感を持たせる
・データとして写真が必要
のどちらかの理由だと思います。これらの理由がないなら使わないか、綺麗で見やすいイラストに置き換えたほうがいいです。
④人間の目線を考える
アイトラッカーってあるじゃないですか。人間が今、どこを見てるのかが点で表されるやつ。
今回のスライド作る時に、人間の目線の流れを死ぬほど意識しました。
人が文章を見る時って、左から右、上から下に読みますよね。
これがマジで死ぬほど大事で、もしスライド内にこれ以外の目線の動かし方をするデザインのものを入れると無意識下で混乱が起こると思うんですよ。
だから、僕が作ったスライドは左から右、上から下以外の流れが一切起こらないように作ったつもりです。
更に、左から右、上から下ということを意識すると自然と情報の置き所も決まってきます。
例えば、文章の説明として図や表を使うなら、図や表は間違いなく右側か下に置くべきです。文章に付属するものは文章より後に視線が来る場所に置きましょう。
逆に図や表の説明として文章が存在するなら、文章を図や表の右側か下に置くべきです。なぜなら、人間の視線はそういう風にできているからです。
上のは一例ですが、常に「どういう目線の流れでスライドが見られるのか」を考えてスライドを作るといいと思います。
⑤情報の対称性を取る
スライドを作る上で下線とか赤字とか色枠とか使うと思うんですが、その情報の対称性は取れていますか?というお話です。
下の研究背景のスライドはレイアウトで情報の対象性を取っている例です。
1行目、2行目、3行目で提示されている情報に対称性が取れているのが分かるかと思います。
他にも、僕は今回のスライドで、
・赤文字 → 大事なところ。ここだけ読んでればギリギリそのスライドで言いたいことが分かる
・青枠 → 赤文字よりも大切な情報。或いはそのスライド内で少し独立性のある情報。
・青枠+赤文字 → 実験の結果
・黄色枠 → 実験の考察
・青矢印 → 実験や思考の流れ
と文字色や枠ごとの概念を決めています。上に貼ってあるスライドを見て、確認してみてください。
これ、当たり前で簡単なようで意外と難しいんですよ。僕も練習の段階でよく指摘を受けました。
徹底して情報の対称性を取った方が絶対的に見やすいし、理解しやすいと思います。
⑥色使いのNG集
色にこだわるのって結構難しいと思います。正解は分からないにしても"NG"はあると思うので、僕の考えるNGを列挙しようと思います。
・黒背景に白字がデフォルト
→ クソ読み見にくい。研究以外のプレゼンなら良いかもしれないけど、研究のプレゼンとしてはダメだと思う。そもそも上級者デザインすぎる。
・大事な内容を白抜き文字の枠等で表示する
→ 白抜き文字がそもそも見やすいものじゃないから避けたほうがいい。広告的なインパクトはあるかもしれないけど、白抜き文字が見やすいなら世の中の書き物はもっとそうなってる。
・寒色で統一。暖色で統一。
→ まとまりは出るかもしれないけど、色合いによる情報格差がなさすぎて要点がよく分からないスライドになる。
・やたら色を使う
→ よく分からなくなるからやめたほうがいい。3色以内がいいって人から聞きました。正確には「3色+その3色を調整した色」で作るのがいいと思います。
・パステルカラーみたいな淡い色合いを中心に作る
→ スクリーンに投影した時に見ずらいし、説得力のないスライドに見える。ビビットカラーを使ったほうがいい。
・薄い色の枠に白字
→ めちゃくちゃ見にくい。上にも書いたけど基本的に白抜き文字って見やすいものではないから、無理するぐらいなら使わないほうがいい。
こんな感じでしょうか?とりあえず、上の内容を注意するだけでも、色合いがいいスライドにはなる気がします。
話の技術
スライドについては以上にして、次に話し方等でこだわった部分を書きます。
話し方は一言一句マジでこだわりました。本当に。1つ1つ書いていこうと思います。
①テンポ・トーンは超大事
他の人の発表聴いてると、一定の口調のまま喋りきる発表多かったりしますね。結構、聴いてて眠くなる。
低いトーンで喋り倒されるのもキツいですが、常にハキハキ喋られるのもキツい。どっちもどこを聴いていいのか分からないことには変わりないので、微妙です。
話すうえで強調の技術はいくつかあると思います。トーンを変える、話す速度を変える、イントネーションを変える…などなど。
これを考えながら話すのって結構難しいんですが、あまり複雑なことを意識しなくても簡単に強調はできるはずです。
強調したい箇所だけ、ゆっくり、トーンを上げて喋る。
これで十分じゃないでしょうか?
そして、この強調を目立たせるためにも、基本は一定のテンポで、一定のトーンで話す必要があります。
焦って早口になったり、イントネーションがブレちゃったり、声の大きさが変わったりしたらダメなんです。
強調する箇所以外は一定であることが死ぬほど大事です。アナウンサーの喋りが聴きやすいのは「一定だから」に尽きます。
まとめるととてもシンプルなことを言っていますが、「一定のテンポで、一定のトーンで話しつつ、強調したい箇所だけ、ゆっくり、トーンを上げて喋る」ことができれば、それだけで十分に抑揚のある発表になるはずです。
話ながらやるのが難しければ、台本に印でもつけておけばできるでしょう。
僕もこれしかやってません。
②強調のフレーズは入れよう
強調のフレーズは多用してこそ効果はありませんが、入れ得だと思います。
「こちらをご覧ください」、「ここが重要です」、「興味深い結果が得られました」などなど、色々なフレーズがあると思います。
意外とこういうの入れてる人いないんですよね。就活で企業の説明会に行って、人事の人の話とか聴いてると色々な強調フレーズが学べたりします。あの人たちは圧倒的にプロなので。
僕は今回、「ここは覚えておいてください」、「是非、ここだけでも覚えて帰ってください」を使ったりしました。
「覚えてください」って強烈なフレーズなんですよ。テストに出るから覚えてって言われたら勝手に覚えるでしょう。アレと同じです。
あと、大事なことは2回言ったほうがいいです。
1回しか聞き取るチャンスがないって結構シビアじゃないですか?特に僕みたいな授業をちゃんと聴かない人には死ぬほどシビアです。
聴き手が話を理解できるチャンスは増やすに越したことはないと思います。
③順接で作りきる
これは発表のシチュエーションや対象にもよると思いますが、基本的に発表のストーリーは順接で作りきったほうがいいです。
「しかし」、「しかしながら」という逆説はかなりインパクトがあり、人を引き込むフレーズですが、これには使用条件があります。
それは、「聴き手が"しかし"以前の内容を理解し、その先の展開を予想できていること」です。
この条件が揃わないと意味を成さないどころか混乱を生みます。前提として予想があって、それを裏切るからこそ、"しかし"なのです。
使うとしたら、前の内容を死ぬほど丁寧に伝える必要があります。
「しかし、○○という結果が得られました。□□にも関わらず、○○という結果が得られたのです。」みたいな言い方をするのも使い方としてはありでしょう。
いずれにしても、逆説は聴き手の能力が問われる上級者向けのフレーズなので、基本的に発表は順接で組み立てたほうが良いと思います。
「突然ですが」みたいな奇をてらうフレーズも同様に危険ですね。"突然ですが"というフレーズそのものに人の気を引く効果はありますが、突然なのでその後に混乱を生む可能性がとても高いです。
発表の構成は順当な流れでいきましょう。そもそも順当な発表を作るのが難しいじゃないですか。
③聴き手の目線に立ち続ける
これ、超絶大事です。
僕はパソコンの前に立たずに壇上で発表をしたんですが、そうした理由の6割ぐらいははこれです。あとの4割は目立ちたいからです笑
そもそも、発表者はパソコンを見て、聴き手はスクリーンを見てっていう状況が2者の解離パンパないんですよ。
同じ話を共有しようとしてるのに、同じものを見てないわけですから。
発表者はスクリーンが見やすい位置に立って、スクリーンを見ながら発表するべきですね。
そして、「ここで示されているように」などスライドの内容に触れる時は、自分がスクリーンを見ることで、聴き手に「ここを見てくれ!」と物理的に伝えるべきだと思います。
あとは、グラフの見方とかはなるべく説明を入れたほうがいいですね。
専門が同じとかじゃなければ、基本的に小学校の時に習った簡単なグラフの読み方以外は伝わってないと思ったほうがいいです。
「このデータの見方は分からないと思うので説明しますと...」ってフレーズを入れるだけで、聴き手にとって"難しいことを喋っている敵"だった発表者が"同じ目線に立って教えてくれる見方"になると思いませんか?
「僕はみんなの見方だ!僕と一緒にこのプレゼンを理解しよう!」っていう気持ちで、どこまでも聴き手の目線に立ちたいですね。
④スライドを送るタイミング
実はこだわってたポイントです。「続いて、実験方法に移ります」というフレーズを例に考えてみましょう。
このフレーズの場合、スライドを送るタイミングは以下の通りです。
1,(切り替え) (間) 「続いて、実験方法に移ります」
2,「続いて、実験方法に移ります」 (間) (切り替え)
3,(切り替え)「続いて、実験方法に移ります」
4,「続いて、実験方法に移ります」(切り替え)
5,「続いて、(切り替え)実験方法に移ります」
とりあえず、この中で1つだけ、めっちゃ微妙なやつがあります。
答えは1番、(切り替え) (間) 「続いて、実験方法に移ります」です。
なぜ?と思う方も多いと思いますが、理由は単純で「発表者がスライドの後手に回ってしまうから」です。
人間がスライドの進行に付いて行く発表になってしまうわけです。あくまで、言葉を補強するためのスライドです。言葉有意で進行しましょう。
2番は1番ほどではありませんが、微妙です。間はなくしましょう。
4番は2番の間がないバージョンですが、言葉とスライドが一致しない時間が長いので、少しプレゼンが分かりにくくなるかもしれません。
完全に僕の主観ですが、スライドの送り方に正解があるとすれば3番と5番だと思います。
3番は発語と同時にスライドが切り替わることになるので、テキパキした印象があって良いです。
5番は言葉と切り替えのタイミングに絶妙なズレがあり、余裕感・玄人感を出すのに向いています。
無駄にこだわってみるのも面白いと思います。
⑤質問は最後まで聴いたほうがいい
質問は凄く緊張しました。何が来るか分からないから怖い。
怖いからこそ、とりあえず質問者が話し終わるのを待つべきだと思います。
焦ってしまって、質問の途中で話を遮って答えてる人が結構多かった気がする。
普通に印象が悪いし、何より焦ってる感が半端じゃないので、とりあえず最後まで聴くのを優先したほうがいいと思います。絶対的にそのほうが印象良いです。
答えられなくても、「ご質問ありがとうございます」って感謝を述べておけば何とかなると信じてます(安易)
さいごに
以上、今回、卒論発表会で賞を取るために巡らせた考えや発表後考えたことになります。
先生や先輩、同期にも指摘をもらいながら考えました。
何イキってんだ!って思われたらそれまでですが、文章にしてみるのも大事かなと思ってしてみました。
普通に自分の中の考えを整理できてよかったです。
ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました!